雇用保険の失業等給付の就職促進給付のうち「就業促進手当」として、「再就職手当」、「就業促進定着手当」、「就業手当」などがあります。
その概要は以下のとおりです。
再就職手当は、基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合(雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって、雇用保険の被保険者を雇用する場合など)に基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。支給額は、所定給付日数の支給残日数×給付率×基本手当日額((注意1) 一定の上限あり)となります。
給付率については以下のとおりとなります。
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の方は、所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額((注意1)一定の上限あり)。
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上の方は、所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額((注意1)一定の上限あり)。
注意事項
注意1: |
基本手当日額の上限は、6,395円(60歳以上65歳未満は5,170円)となります。(毎年8月1日以降に変更されることがあります。) |
詳しくは再就職手当のご案内[PDF:2744KB]をご覧ください。
就業促進定着手当は、再就職手当の支給を受けた人が、引き続きその再就職先に6か月以上雇用され、かつ再就職先で6か月の間に支払われた賃金の1日分の額が雇用保険の給付を受ける離職前の賃金の1日分の額(賃金日額)に比べて低下している場合、就業促進定着手当の給付を受けることが出来ます。
支給額は、(離職前の賃金日額-再就職手当の支給を受けた再就職の日から6か月間に支払われた賃金額の1日分の額)×再就職の日から6か月間内における賃金の支払いの基礎となった日数(通常月給制の場合は暦日数、日給月給制の場合はその基礎となる日数、日給制や時給制の場合は労働の日数)となります。
ただし、次のとおり上限額があります。
上限額:基本手当日額(注意2)×基本手当の支給残日数に相当する日数(注意3)× 40%(注意4)
注意事項
注意2: |
基本手当日額の上限は、6,395円(60歳以上65歳未満は5,170円)となります。(毎年8月1日以降に変更されることがあります。) |
注意3: |
再就職手当の給付を受ける前の支給残日数です。 |
注意4: |
再就職手当の給付率が70%の場合は、30%です。令和7年4月1日以降に再就職手当の支給に係る再就職をした場合は、再就職手当の給付率に関係なく20%です。 |
詳しくは再就職後の賃金が、離職前の賃金より低い場合には、「就業促進定着手当」が受けられます [PDF:186KB]をご覧ください。
就業手当は、基本手当の受給資格がある方が再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業した場合に基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり一定の要件に該当する場合に支給されます。支給額は、就業日×30%×基本手当日額((注意5)一定の上限あり)となります。
なお、就業手当は、令和7年3月31日をもって廃止されます。令和7年4月1日以降に支給要件を満たす方については、支給されません。
注意事項
注意5: |
1日当たりの支給額の上限は、1,918円(60歳以上65歳未満は1,551円)となります。(毎年8月1日以降に変更されることがあります。) |
常用就職支度手当は、基本手当の受給資格がある方(基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満である方に限ります。)、高年齢受給資格者、特例受給資格者又は日雇受給資格者のうち、障害のある方など就職が困難な方が安定した職業に就いた場合に、一定の要件に該当すると支給されます。
支給額は、90(原則として基本手当の支給残日数が90日未満である場合には、支給残日数に相当する数(その数が45を下回る場合は45))×40%×基本手当日額((注意6) 一定の上限あり)となります。
注意事項
注意6: |
基本手当日額の上限は、6,395円(60歳以上65歳未満は5,170円)となります。(毎年8月1日以降に変更されることがあります。) |
受給資格者等がハローワーク、特定地方公共団体または職業紹介事業者の紹介した職業に就くため、又はハローワークの所長の指示した公共職業訓練等を受講するため、その住所又は居所を変更する必要がある場合に、受給資格者本人とその家族(その者により生計を維持されている同居の親族)の移転に要する費用が支給されます。
移転費の支給を受けるには以下の要件を満たしていることが必要です。
雇用保険の受給資格者等であること。
待期の期間が経過した後に就職し、または公共職業訓練等を受けることとなったこと。
ハローワーク、特定地方公共団体または職業紹介事業者(注意7)が紹介した職業(注意8)に就くため、またはハローワークの所長の指示した公共職業訓練等を受けるために、住所・居所を変更すること。
事業所または訓練施設が、次のいずれかに該当するため、ハローワークが住所・居所の変更が必要であると認めること。
(1) 通勤(所)時間が往復4時間以上であること
(2) 交通機関の始(終)発の便が悪く、通勤(所)に著しい障害がある場合
(3) 移転先の事業所・訓練施設が、特殊性や事業主の要求によって移転を余儀なくされる場合
その就職について、就職準備金その他移転に要する費用が就職先から支給されないこと、又は就職先からの支給額が移転のために実際に支払った費用に満たないこと。
※ 上記のほか、職業紹介の拒否等による給付制限を受けた場合は、その給付制限期間が経過した後に、就職し、または公共職業訓練等を受けることとなったことが必要です。
注意事項
注意7: |
職業安定法第4条第8項に規定する特定地方公共団体または職業安定法第18条の2に規定する職業紹介事業者をいいます。なお、職業紹介事業の停止を命じられている職業紹介事業者または業務改善命令を受けている職業紹介事業者から紹介を受けた場合は、移転費の支給対象とはなりません。 |
注意8: |
雇用期間が1年未満である場合や、循環的に雇用されることが慣行となっている場合を除きます |
移転費には、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、移転料、着後手当の6種類があります。
移転費の支給を受けることができるもの及びその者が随伴する家族について、その旧居住地から、新居住地までの区間の順路によって計算した額が支給されます。
移転の日の翌日から起算して1か月以内に住居所管轄のハローワークへ、移転費支給申請書に受給資格者証等を添えて提出する必要があります。
移転後すぐ、就職先の事業主に、移転費支給決定書を提出します。
就職先の事業主は、その移転費支給決定書に基づき移転証明書を作成し、移転費を支給したハローワークへ送付します。
移転費の支給を受けた受給資格者等が、紹介された職業に就かなかったとき、指示された公共職業訓練等を受けなかったとき、又は移転しなかったとき、その支給された移転費に相当する額を返還しなければなりません。
広域求職活動費とは、受給資格者等がハローワークの紹介により遠隔地にある求人事業所を訪問して求人者と面接等をした場合支払われるもので、交通費及び宿泊料が支給されます。
受給資格者等が広域求職活動費の支給を受けるためには以下の要件を満たすことが必要です。
雇用保険の受給資格者等であること。
待期の期間が経過した後に広域求職活動を開始したこと。
ハローワークに紹介された求人が、その受給資格者の方に適当と認められる管轄区域外に所在する事業所のもので、その事業所の常用求人であること。
住居所管轄のハローワークから、訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワークの間の距離(往復)が、交通費計算の基礎となる鉄道等の距離で200キロメートル以上あること。
広域求職活動に要する費用が、訪問先の事業所の事業主から支給されないこと、又はその支給額が広域求職活動費の額に満たないこと。
※ 上記のほか、職業紹介の拒否等による給付制限を受けた場合は、その給付制限期間が経過した後に、広域求職活動を開始したことが必要です。
交通費については、住居所管轄のハローワークの所在地から訪問する事業所の所在地を管轄するハローワークの所在地までの順路について、通常の経路及び方法により、移転費の場合に応じて計算した額が支給されます。
宿泊費については、交通費計算の基礎となる距離と、訪問する事業所の数に応じて定められています。
広域求職活動費の支給を受けようとする受給資格者等は、広域求職活動を終了した日の翌日から10日以内に、住居所管轄のハローワークへ、求職活動支援費(広域求職活動費)支給申請書に受給資格者証、広域求職活動指示書及び広域求職活動面接等訪問証明書を添えて提出します。
受給資格者等が平成29年1月以降に、ハローワークの職業指導により再就職のために必要な職業に関する教育訓練を受け、当該訓練を修了した場合に、本人が訓練受講のために支払った教育訓練経費(注意9)の2割(上限10万円、下限なし)が支給される制度です。
注意事項
注意9: |
教育訓練経費とは、入学料(入学金又は登録料)と受講料であり、教育訓練施設が証明する額です。 |
短期訓練受講費の支給を受けるには以下の要件を満たしていることが必要です。
教育訓練(注意10)を受講する前に、その訓練を受けるためのハローワークの職業指導(以下「受講指導」と言います。)を受けていること。
受講指導を受ける日において、受給資格者等であること。
待期の期間が経過した後に教育訓練の受講を開始したこと。
注意事項
注意10: |
支給対象となる教育訓練 |
(1) 一般教育訓練給付の対象講座を実施している教育訓練実施者が実施していること。 (2) 公的職業資格の取得を目標とする1か月未満の教育訓練であること。 (3) 一般教育訓練給付の対象講座として指定されていないこと。 (4) 教育訓練の開始時期、内容、対象者、目標及び修了基準が明確であり、教育訓練実施者が、その訓練について、適切に受講されたことを確認し、修了させるものであること。 |
本人が訓練受講のために支払った教育訓練経費の2割(上限10万円、下限なし)が支給されます。
短期訓練の受講を希望する場合は、必ず受講開始前に、以下(1)~(3)の手続きを行った上で、教育訓練を受講する必要があります。
(1) 短期訓練受講費支給要件照会票の提出
受給資格があることを確認するため、住居所管轄のハローワークの雇用保険窓口へ教育訓練実施者の証明を受けた「短期訓練受講費支給要件照会票」を提出します。
※ 「短期訓練受講費支給要件照会票」は、ハローワークの雇用保険窓口で交付していますので、必要な場合は、ハローワークの雇用保険窓口にお申し出下さい。
(2) 短期訓練受講費支給要件回答書の受理
住居所管轄のハローワークから交付された「短期訓練受講費支給要件回答書」に「支給要件を満たしています。」と記載されていた場合のみ(3)の受講指導を受けられます。
(3) ハローワークによる受講指導
住居所管轄のハローワークの職業相談窓口に「短期訓練受講費支給要件回答書」を持参し、受講指導を受けます。ハローワークでは、教育訓練の受講が再就職のために必要かどうかなどを確認し、「短期訓練受講指導書」を交付します。
「求職活動支援費(短期訓練受講費)支給申請書」に必要書類を添えて、教育訓練の修了日の翌日から1か月以内に住居所管轄のハローワークへ提出してください。
求職活動関係役務利用費は、受給資格者等が平成29年1月以降に求人者との面接等をしたり、教育訓練を受講するため、子について保育等サービス(注意11)を利用した場合に、保育等サービスの利用のために本人が負担した費用(注意12)の一部(上限額あり)が支給される制度です。
注意事項
注意11: |
認可保育所の保育、認可幼稚園の保育、認定子ども園の保育、一時預かり事業等を言います。 |
注意12: |
費用とは、保育等サービス実施者に対して支払った利用料として、保育等サービス実施者が証明する額(消費税込み)です。 |
求職活動関係役務利用費の支給を受けるためには以下の要件を満たすことが必要です。
保育等サービスを利用した日において受給資格者等であること。
待期の期間が経過した後に保育等サービスを利用したこと。
※ 待期の期間が経過する前に保育等サービスの利用を開始した場合は、待期の期間が経過した後の保育等サービスの利用分のみ支給対象となります。
対象となる面接等、教育訓練
(1) 求人者との面接等
求人者との面接等とは、求人者との面接のほか、筆記試験の受験、ハローワーク、許可・届出のある職業紹介事業者等が行う職業相談、職業紹介等、公的機関等が行う求職活動に関する指導、個別相談が可能な企業説明会等、失業認定における求職活動に該当する活動であること。
(2) 教育訓練の受講
教育訓練の受講とは、ハローワークの指示・推薦により公共職業訓練等を受講する場合、就職支援計画に基づき求職者支援訓練を受講する場合、ハローワークの指導により各種養成施設に入校する場合、教育訓練給付の対象訓練及び短期訓練受講費の対象訓練等を受講している場合であること。
対象となる子(年齢制限なし)
(1) 法律上の親子関係に基づく子(実子の他養子も含む。)
(2) 特別養子縁組を成立させるために監護を受けている者
(3) 養子縁組里親に委託されている者、養育里親に委託されている者
支給額
保育等サービス利用のために本人が負担した費用(保育等サービス利用費)の80%が支給(1日あたりの支給上限額6,400円)されます。
保育等サービス利用費の算出方法
(1) 日払いの場合
面接等、教育訓練を受けた日に要した利用費を1日単位で申請
(2) 月額の場合
『月額費用÷その月の暦日数×面接等や教育訓練を受けた日数』で算出した額を申請
支給対象となる上限日数
(1) 求人者と面接等をした日 ⇒ 『15日』
(2) 対象訓練を受講した日 ⇒ 『60日』
※ (1)及び(2)のいずれも上限日数に達するまでは、支給対象となります。
求職活動関係役務利用費の支給を受けようとする受給資格者等は、「求職活動支援費(求職活動関係役務利用費)支給申請書」に、下記の必要書類を失業の認定日に住居所管轄のハローワークへ提出を行う必要があります。(ただし、ハローワークの指示により公共職業訓練等を受講する受給資格者(証明認定を希望する方に限ります。)は、失業の認定の対象となる月分について、翌暦月中に提出を行う必要があります。)
必要書類
受給資格者証等
保育等サービス事業者が発行する保育等サービス費用に係る領収書
保育等サービス事業者が発行する「保育等サービス利用証明書(求職活動関係役務利用費)」
保育等サービス事業者が発行する「返還金明細書」(領収書を発行後、利用料の値引き等により、保育等サービス利用費の一部が返還された場合に限ります。)
事業主の証明を受けた「面接等求職活動証明書(求職活動関係役務利用費) 」等の求人者との面接等を行ったことを証明する書類(求人者と面接等を行った場合に限ります。)
訓練実施者の証明を受けた「訓練等受講証明書(求職活動関係役務利用費)」等の訓練を受講したことを証明する書類(教育訓練を受講した場合に限ります。)
対象となる子の氏名、本人との続柄を確認できる住民票記載事項証明書等
保育等サービス利用費について、地方公共団体等の第3者から補助を受けた場合は、その額を証明する書類
《ご質問等につきましては、お手数ですが、最寄りのハローワークまでお願いいたします。》
申請期限を過ぎたことにより、雇用保険の給付を受けられなかった方は、こちらをご覧ください。